約20年の歳月をかけて完成!
平成11年に長久手市商工会が募集した詠み句を長久手市観光交流協会が引き継ぎ、約20年の歳月をかけて完成した「長久手ふるさとかるた」。
詠み手は長久手市民の皆さま。
絵札はイラストレーター・現代浮世絵画家の中根幹夫氏。
長久手の風景を多くの子どもたちに伝えたり、ご家族で昔話を楽しんだり、長久手のことを語り合う機会になれば嬉しいです。
しっとりした美人画が目を引く絵札は、海外の方にも喜んでいただけるかと思います。お土産にもぜひ。
エルミタージュ美術館でも作品が展示された、イラストレーター中根幹夫さん作
絵札をお願いした頃の中根幹夫さんは、愛知県美術館ギャラリーの個展を控え、なかなかにお忙しくされていました。快く引き受けてくださったのは、とにかくご縁あってのこと。加えて言えば、約20年も眠っていた詠み句に、心を揺さぶられたからと勝手に信じています。
1句ごとに読み込んで、その背景を調べ、確認しながらイメージを膨らませ丁寧に描き進めてくださる姿には心から感動。
フランスのエルミタージュ美術館でも作品が展示され、高い評価を受けている中根さん。あまりにも気さくな優しい笑顔に、すごい人だということを忘れてしまいます。
素晴らしい絵札を描いてくださっただけではなく、そのお仕事ぶりは様々なことを教えてくださいました。
絵札にかかれた美人たちは、「なんでも好きなように使ってよ!」という太っ腹のお許しをいただき、長久手のPRポスターにも登場しています。
よくぞ甦らせてくれた、ありがとう
完成を目指して、まずは長久手市商工会さんに、当時の企画書や経緯を伺って、譲渡の覚え書きを交わすことからスタートしました。
「作成するにあたっては、詠み句を書いてくださった方に連絡をして、許可を頂くように」とのご指導に従い、連絡先を調べる作業が始まりました。
今では懐かしい「愛知郡長久手町」の住所を紐解き、詠み句の使用や変更をお尋ねしました。実はお手紙が戻ってきた方も複数いらっしゃいます。ご家族から「書いたのは息子なんだけどね、今海外にいるのよ」とお電話いただき、あらためて20年の歳月に思いを巡らせました。
20年と言えば、今ではもう見られない風景や、呼び名が変わっている施設があり、それを変更するお願いもあわせてしているうちに、あれよあれよと1年が過ぎて行きました。
本当に完成させられるのかしら?と不安になったこともありましたが、「よくぞ甦らせてくれた、ありがとう」というお言葉や、励ましのお手紙にジンワリしながら頑張りました。引き継いでから2年かかってようやく完成。かかった時間の分だけ、教えていただいたことも多くありました。たっぷり詰まった長久手愛を次代へつなぐように、元号も平成から令和へ。この先も、長く親しまれることを心から祈っています。
令和2年1月には「第1回長久手ふるさとかるた大会」を開催。今後、毎年実施する予定です。